アパホテルの価格の格差が4倍の件

日本のお店で学ぶ

昨日のニュースでホテル建て替えの為に「ホテルオークラ東京の本館営業が終了」とありました。私は何度かホテルオークラには行ったことありましたが、宿泊したことはありませんでした。このようなニュースがでると、一回は宿泊しておけば良かったと思うものです。
今回の建替えは、外資系ホテルの東京進出に対抗した戦略の一つを位置づけられており、高級感を重視し部屋を広めにし料金も現在の倍を狙う施策だそうです。今月いっぱいで、ホテル日航東京も営業権をヒルトンに譲ることになり、10月からはヒルトン東京お台場に変わります。その対極として、ホテル業界で躍進を続けているのがアパホテルではないでしょうか。2011年以降は東京23区内に月1店舗ペースで出店を行い、地方では有力なホテルと提携を結び、インターネット予約で共有化を図り稼働率を上げるなど、様々な施策で業界を牽引しています。主に出張中の会社員をターゲットに、昨今の外国観光客を取り入れにも力を入れて、オープン以来、稼働率が100%の店舗もあるとか。その施策の一つでもある価格の格差に注目をしてみました。

ホテルオークラは新しくなっても、良いところはそのままにするらしいですね。

アパホテルのメインターゲットは出張中の会社員。実は、私も数年前までは年の1/3は出張で全国を飛び回ってました。その際はビジネスホテルを利用することが多かったのですが、決める優先順位としては、立地が一番で次に料金でした。取引先との飲みなども多かったので、繁華街に近くて、できるだけ清潔感のあるホテル。まさにアパホテルが当てはまります。地方の慣れない土地ですと、繁華街に近いのはとても魅力的であります。そして、一度利用したことにより、親近感も出てきてもう一度泊まろうと思います。新しくホテルを探すことの面倒や煩わしさから開放されるのは楽なものです。ですので、金額が少々違っても気にならなくなります。そこにも戦略が隠れているかと思います。

ちなみにアパホテル銀座の通常プラン9月宿泊料を調べてみたところ。
2015年9月の最安値が9月1日(本日)の6900円で最高値がシルバーウィーク初めの9月19日、20日の27900円でした(2015年9月1日現在)。なんと四倍の格差。
一方、ホテルオークラの9月の一番安い宿泊料は、部屋のみプランの最安値が9月4日の35640円(9月1日と6日は埋まっている)で、最高値が9月26日48114円の料金格差は1.35倍。ちなみにシルバーウィーク9月19日は42768円の最安値から1.2倍。

戦略が明確に分かれていますね。ターゲットをどこにするかで価格設定が全く変わります。私が地方を回ってた時は、どうせ一泊だけとかなので部屋の広さとかは気にせずに、利便性に対する費用で考えてました。日本に来る外国人が何を求めてやってくるのか?それも、国ごとに違うでしょうから、どこの国をターゲットにするのか?によって戦略も変わってくるのでしょうね。二つのホテルは全く別物だから、比較するのが間違っているかもしれません。ホテルに何の価値を見出すかによってターゲットを変えてアプローチしていくことが、稼働率を上げる施策になると思います。そこで一つオークラさんへの要望としては、もう少し予約システムをわかりやすくして欲しい。プランを探すのにスクロールが多すぎるような。