ニュースで「タイ・バンコクの刑事裁判所は20日、フェイスブックにプミポン国王を侮辱するメッセージを掲載したとして、不敬罪などに問われた男(46)に禁錮6年を言い渡した。」とありました。
タイではこのような不敬罪のニュースは頻繁に流れます。絶対君主制などの国家では採用している国がありましたが、今では不敬罪を採用している国は数少なくなっており、その一つがタイランドになります。
この不敬罪に関しては、タイ人・外国人関係なく処罰対象になりますので、日本人も十分に注意をしなければならない法律になります。
不敬罪とは
国王や皇帝など君主や、王族や皇族など君主の一族に対し、その名誉や尊厳を害するなど、不敬とされた行為の実行により成立する犯罪。wikiより
タイにおいては刑法第112条において
「国王、王妃、王位継承者あるいは摂政に対して中傷する、侮辱するあるいは敵意をあらわにする者は、何人も三年から十五年の禁固刑に処するものとする」
なんと!刑法にて15年の禁固刑になります。
最近の日本における判例で懲役10~15年は、
2015年12月7日水戸地裁「強制わいせつ致傷、強盗致傷など」10年 2015年12月14日佐賀地裁「殺人罪」13年 2016年1月19日大阪地裁堺支部「殺人罪」14年 殺人罪と同じような罪になります。
タイにおいては麻薬輸入販売などで死刑までありますので、国によっては刑量は違ってきますが、重要なのはその国の法律で裁かれるってことです。 そして、その刑量はその国の歴史や文化からできたものということ。
今まで、タイにおける「不敬罪」には触れないようにしてきました。と言うのも、この問題は人によって考え方が異なると思うから。
歴史や文化によって考え方が異なるのは当然だし、ある人にとっては普通と思っていることが、他の人にはおかしく思えたりすることはよくある事だからです。
アメリカでは靴を履いたまま家に入りますが、日本では玄関で靴を脱いで家に入るのが当然であるように、その国には国なりのルールがあります。
過去の歴史と文化が今に至っているのです。タイやサウジアラビアなどの「不敬罪」は、その一つだと私は思います。
もちろん、天皇国家である日本にも不敬罪はありました。
1880年に公布された旧刑法で明文化され、1907年に公布された現行刑法に引き継がれ、1947年に削除されるまでには、毎年のように検挙されてました。
現在の日本でも天皇に関しての言葉遣いは、放送関連などではかなり気を遣うことが多いです。
日本では削除された不敬罪がタイでは存在している。その事実は、私たち日本人が知らなければいけない事実であって、タイの考えを尊重しなければならない部分であると思います。
私もタイで映画館に入った時には、上映が始まる前の国家が流れる時は立つようにしております。
「郷に入れば郷に従え」 中国から入ってきた言葉です。
タイに入るときは、この言葉をしっかり噛み締めることが必要です。
日本で言えば殺人罪と同じような罪に問われないよう、タイでは国王、王妃、王位継承者あるいは摂政に対して敬意を表してください。
【追記】
2019年4月、国王が変わりましたが、タイにおいては不敬罪はあります。日本とタイ大きな違いの1つなので、タイへ行く際は十分に注意をして下さい。