タイに車を輸入するには、ものすごい税金がかかります。

タイのニュースで、「タイ法務省特捜局は17日、輸入自動車49台を関税法違反の疑いで差し押さえたと発表した。」とありました。差し押さえられたのは、フェラーリ、ベンツ、ロールスロイス等の高級車ばかりで、部品として輸入をしてタイで組み立てたもの、通常かかる関税を回避しようとした目的で、その脱税額は2億億8000万バーツ（約8億800万円※2016/8レート）になるそうです。
いくら高級車といえ、この税金って高いと思った方は多いのでは？タイは新車をはじめ個人使用でも車の輸入には厳しい規制がある国です。トヨタなど多くの日本企業がタイで車を製造販売しておりますが、車好きの方の中には、どうしても日本で作った車が良いと思う方もいんじゃないかと。そのような方の為に、車をタイに輸入する際の税金についてまとめたいと思います。うーん、かなり高くなるので、輸入している方は贅沢の極みかと。

タイへ車を輸入する条件
外国人がタイへ個人用として車を輸入する際の許可条件
タイへ個人用として車を輸入する際の税金
プリウスのタイと日本の価格

タイへ車を輸入する条件

まず、大前提としてタイでは中古車輸入ビジネスはできません。国内産業保護育成と環境汚染抑制の観点から中古車は「輸入許可取得必要品目」にされており、輸入条件は主に個人用、政府関係、再輸出目的に限られています。

だから、タイには意外と多くの新車が走っている訳です。もちろん、古い車も走ってますが、東南アジア一帯では新車率は高い方だと思います。

では、ビジネスでなく個人用で輸入をしてみようと思った方に待っているのが、「外国人の許可条件」と「ものすごく高い関税等の税金」。

外国人がタイへ個人用として車を輸入する際の許可条件

・1人につき1台の輸入に限る。
・輸入許可日から3年以内に国内販売または譲渡することは認められない。なお相続の場合はその限りではない。
・タイ入国管理局による入国許可証を有し、タイ滞在1年以上であること。
・労働福祉省による労働許可書を有し、最低１年間有効であること。
・タイ人と結婚した外国人の場合、身分証明書及び証明できるものを提出。
・外国に滞在中、輸入を希望する乗用車に関して、1年6ヶ月以上にわたり所有権または使用権を持っていること。この期間は登録日からタイ国輸入される日までを数える。
・運転免許証または国際運転免許証を保有していること。

ちなみに、タイ人がタイに車を輸入する場合にも、若干違う部分もありますが似たような条件がついてきます。
ただ、車好きでタイに転勤になってしまった人だったら、この条件をクリアする人は出てくると思います。そして、そんな人が車を輸入しようとしたら、次に待っているのが「ものすごく高い税金」になります。

タイへ個人用として車を輸入する際の税金

タイへ自動車を輸入する際は、自動車のタイプによって輸入関税・物品税・地方税・付加価値税の４種類が課されます。以下の表にまとめてみると。

タイプ	輸入関税	物品税	地方税	付加価値税
乗用車（2400cc未満）	80%	35%	10%	7%
乗用車（2400~3000cc）	80%	41%	10%	7%
乗用車（3000cc~,又は220馬力以上）	80%	48%	10%	7%
オフロード車	80%	33%	29%	7%
ピックアップ車	60%	33%	3%	7%

もし、それぞれ100万円の中古車を輸入しようとしたら。

乗用車（2400cc未満）	313.2万円
乗用車（2400~3000cc）	350.8万円
乗用車（3000cc~,又は220馬力以上）	408.1万円
オフロード車	282.8万円
ピックアップ車	177.0万円

※税金ごとに、いろいろ計算方法がありますので、その部分は省略してますので、数字が異なります。
※税率は都度変わりますので、実際は関係官庁に問い合わせ下さい。

もし、タイで人気のキューブ中古100万円を輸入しようとしたら、300万円以上の車になってしまいます。これなら、タイで車を買った方が良いってことになるのが頷けます。今回捕まった業者も、この税金を逃れる為に部品に分けて輸入をして、タイで組み立てて売ろうとした訳ですね。

では、輸入するには税金がかかるのが嫌だから、タイで新車を買ってみようと思った時、どれくらいの価格になるのかチェックしたところ。