タイから輸入される食品に含まれる添加物
昨日のニュースで「日本水産は、タイで生産するタイカレーの缶詰「ニッスイ タイカレー(マッサマン)」から、日本国内で使用が認められていない食品添加物「TBHQ」検出されたため、自主回収すると発表した。」とありました。
最近は「添加物」と聞くと敏感になってた私。タイ生産ということで、「あるよな~」と思っていましたが、その検出された「TBHQ」って何?と疑問が湧いたので調べてみることに。実は、日本ではダメだけどヨーロッパやアメリカでは許可されている添加物でした。
添加物「TBHQ」とは
TBHQ(Tertiary ButylHydroQuinone)とはフェノールタイプの芳香族化合物の一つ。tert-ブチルヒドロキノンとも言われ、極めて有効な抗酸化物質である。食品では、不飽和植物油や多くの動物性油製品の防腐剤として使われている。鉄分が含まれていても変色が起こらず、香料や製品の風味も変えない。ブチルヒドロキシアニ(BHA)などその他の防腐剤とともに使うこともできる wikiより
主に防腐剤として使われているようで、変色をさせずに香りや味を変えない効果があるようです。でも、私の頭の中では「腐らせない=良くない」という概念があるので、この添加物って大丈夫?と思ってたところ。
欧州とアメリカでは評価されている
実は、このTBHQは欧州食品安全期間(EFSA)とアメリカ食品医薬品局(FDA)の両方に評価されてる添加物になってました。この二つの機関は、許可されている添加量であれば、摂取しても安全であると断定しており、世界的には食品添加物として認められています。
しかし、日本では食品添加物として認められておらず、これらTBHQが含まれる食品の輸入や販売が禁止されているのです。
TBHQの実験結果
このTBHQの実験として、高投与量では実験動物に対して胃腫瘍の前駆細胞の生成やDNAの損傷など健康への悪影響を引き起こし、発がん性の可能性が示されていました。しかし、別の研究では逆の結果、TBHQとその他フェノール系抗酸化物質に誘発性発ガンを抑制(代謝活性抑制による)する効果があることが示されてる結果が出ました。
つまり、人間による摂取と動物実験においての副作用には大きな隔たりがあることが判明されており、欧州食品安全期間は非発がん性であると判断しています。
ちなみに、添加物の上限値は、冷凍魚と魚製品では1000mg/kgとされてます。また、アメリカ食品医薬品局では、油脂または食品に含まれる油脂含有量の0.02%を上限としています。
過去にも多くの食品衛生法違反がありました
日本では指定外添加物になっていますが、世界的には普通に使われている添加物ということになり、今回のニッスイが輸入をしたマッサマンカレーについても「健康に害を及ぼすことはない」と公表されてます。過去にも同じように日本国外で製造された食品を輸入しようとして、今までもこのTBHQに関しての違反は多くありました。
その一部を抜粋してみると、
・INSTANT FOOD MIXES BHELPURI(菓子類) インド
・ドリアンチップス(菓子類) タイ
・回鍋肉のたれ 中国
・プレズンチーニョ(クラッカー) ブラジル
・INSTANT NOODLES FLAVOUR SHRIMP CREAMY TOMYUM(即席麺類) タイ
・SEMI DRIED TOMATOES IN OIL(冷凍食品) オーストラリア
・ダイコンチップス(菓子類) 中国
・SWEET BREAD VANILLA(冷凍食品) ブラジル
・SPECIAL SOAN PAPDI(菓子類) インド
・バジルペースト オーストラリア
・MEAT SAUCE PORK(ソース) メキシコ
など。
これは仕方ないでしょうね。だって、世界的には認められているのに日本だけ認めてないのですから。
とは言うものの、この判断は日本が合っているということもあるかもしれません。添加物に敏感になって悪いことはないんじゃないかな。食品を選ぶときには産地や添加物ををチェックする為にも裏ラベルを見る癖をつけていものです。