残念なニュースが飛び込んできました。「ラーメン店チェーン「幸楽苑」を展開する幸楽苑ホールディングスは3月31日、タイ子会社の幸楽苑(タイランド)を解散することを取締役会で決議した。」、その理由としては、想定して売上が見込めず、店舗の継続が困難になったからだそうです。
タイで日本のラーメンチェーン店失敗する
2011年に会社を設立をして、2012年にエカマイに店舗を展開して5年目にして撤退。それまでに5店舗を展開してきましたが、赤字額は2014年12月期が2600万バーツ(約8300万円)、2015年12月期が6700万バーツ(約2億1300万円)と困難な経営が続いていたそうです。
こんな業績だったら、普通解散しますわね。そこで、私なりに幸楽苑さんが失敗した理由を考えてみました(私が勝手に考えたので、違うと思う方はスルーして下さい)。
一号店の失敗
私は、ここがかなりの致命傷かと思っています。幸楽苑さんがバンコク一号店に選んだのが、当時BTSエカマイ駅近くにオープンしたショッピングモールのGATEWAY(ゲートウェイ)。GATEWAYがオープンする前は、バンコクには日本食ブームで盛り上がっており、日本食店が多く入ることで現地知り合いもかなり期待していました。
が、オープンしたら。半分以上はテナントが入ってなく閑散としており、唯一、稼働していたのが飲食店フロアのみの惨状。私の正直な感想としては、「終わったな」でした。一度、そんなイメージをもってしまうと、人は不思議と近づかないもので、それ以来、私は一度もGATEWAYに行ってません。少しは良くなったのだろうか?そんな噂も聞かないので、そんなには変わってないのかも。出だしでコケまくってしまったのが、敗因の原因かと思います。
誰がターゲットかわからない
タイで成功したラーメンチェーン店として有名なのが、8番ラーメンさん。成功した理由がたくさんあると思いますが、その一つとして、ターゲットをタイ人にしたことだと思います。タイ人に合わせて、ラーメンの量も少なくしたり、暑いのが苦手なタイ人用に、温度をぬるめにしたり。
幸楽苑さんがこの部分を徹底できたのかが疑問です。バンコクで一度だけ食べましたが、私には普通に美味しかったです。つまりは、日本人だけには美味しかったということになる。
タイで働いている知り合いのコックが口癖のように言うのが「タイ人に日本の味は分からない」です。つまり、タイ人用にアレンジをしないと、多くのタイ人には広がらないってことになると考えられます。
それとは別に、タイの日本人マーケットへの進出だけなら、わざわざモールとかに出さなくても良いのではないかな。そのマーケットはさほど大きくないから、出店する意味があるのかも疑問が残ります。
出店場所の迷走
ターゲット設定と連動しますが、ターゲットをタイ人にしたのなら、タイの若者や富裕層が集まる場所に出店する必要があります。つまりは、サイアム周辺、シーロム周辺にお店を出すことが手っ取り早いです。ところが、幸楽苑さんが出店したところは、エカマイ、カンナーヤーオ、シラチャ、ラマ9。私はエカマイとラマ9に行きましたが、SC建設ラッシュできた場所で、スペースが広い割には人が少なく終わってるイメージがありました。
どうして、MBKとかに出さないのかな??普通にタイを知っていたら、資本が少ない人は別として一号店を出す場所は限られてくると思うんですけど。明らかに、出店する場所を間違えていると思います。アニメイトさんは、しっかりMBKに出店してますし。
競合に勝つ戦略がない
あくまでも私の予測ですが、タイでの成功を簡単に考えていたんじゃないかと思ったりします。「タイがいいよ」って耳にした瞬間は、多くの人に伝わっているものです。つまりは、同じことを考える人や企業が存在しているということ。それも、同じラーメンチェーン店で8番ラーメンさんが成功しているマーケットに挑むのですから、せめて、8番さんとは違う戦略がないと成功しないですよ。それも、タイ人の心に刺さるような戦略じゃないと。
何となくですが、「タイに出せば儲かるかも」みたいな発想で出店したのかなぁと思ってしまう。99バーツラーメンは破格かもしれませんが、競合8番ラーメンさんは63バーツですから。
他にも要因を考えたらいくつも出てきますので、この辺にしておきます。失敗の原因を見つけるの簡単だけど成功を切り開くのはとても難しいことだとは重々承知してます。誰でも最初は成功すると思って始めるわけですから、ある程度の道筋ができていたのだと思います。
幸楽苑さんは最初のエカマイがコケた時に、戦略変更が必要だったんじゃないかな。億あったら、いろいろできたでしょうに。。
走ってしまうと見えないものが増えてくる。経営って難しいですよね。
ただ、私は日本企業がもっと海外(東南アジア)で成功して欲しい!そう切に願っています。そういった意味では、幸楽苑さんも今回の失敗に懲りずに、吉野家さんのように、再度、東南アジア進出をして欲しい。日本の優良企業さん!がんばってください!
~thaiuniおっさんのつぶやき~
タイ二回目進出の吉野家さんが心配だったりする。いろいろ迷走中だとは思いますが、方向転換は早めに、戦略は大胆に、タイ人資産家と仲良く、で乗り切ってほしい。