マッサージ師とセラピストの違いって何?

こんな仕事してます

私がほぐし店のマネージャーをする前は、正直なところ「マッサージ師」と「セラピスト」の区別がつきませんでした。今でも、時々「マッサージ師」については、「セラピスト」の意味を含め使っています。これはマッサージを受ける側としてです。

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マッサージ師とセラピストは根本的に違う

意外と「マッサージ師」と「セラピスト」の違いを知らない人は多いんじゃないでしょうか?そこで、本日は「マッサージ師」及び「セラピスト」の違いについて私なりの見解(いち顧客としての見解)を書こかなと。あえて「私なり」と書いたのは、この業界はあーだこーだと言う人が多いのでね。そのような方はスルーでお願いします。

でもね、この2つの間にはそんなに違いはないと考えてます。これは、マッサージを提供する側とマッサージを受ける側で、捉え方が違ってくると思います。今回は受ける側として違いを書きます。良いマッサージをしてくれる人を見つけるのに役立つ情報なれば良いな。

マッサージ師とは

まず初めに、日本における「マッサージ師」について。

wikiで「マッサージ」とは、

マッサージはヨーロッパ発祥の手技療法である。マッサージは厳密には指先などの末梢部から心臓に向かって施術を行う(按摩の施術はその逆となる)。マッサージには静脈やリンパの滞りを改善しその流れを促進する効果がある。

ざっくりですが、ヨーロッパ生まれの手技療法がマッサージで、中国から日本に伝わった手技療法が按摩となります。

そして、日本において、このマッサージを仕事としてできる者は医師以外では「あん摩マッサージ指圧師」の有資格者のみと法律で定められてます。

以前、マネージャーをしてた時に「あん摩マッサージ指圧師」の有資格者から聞いたのが、資格取得には高いお金を払って数年勉強しなければならない。つまり、お金と時間をかけて勉強した人(試験合格者)のみ仕事としてできます。

私は、マッサージ師は「治療家」だと思っています。短期的に痛いところを和らげて楽にしてくれる人。10分○○円じゃなく、1治療○○円ですね。

セラピストとは

セラピストとは国家資格のマッサージ師とは違い、それぞれ独自にマッサージの方法を習ったもの。

ちまたにある「整体」や「カイロプラクティック」などは、この独自のマッサージの方法にあたり、「タイ古式マッサージ」もその一つになります。また、エステサロン勤務者にも使われます。

つまり、国家資格ではなく「人の身体に触れる仕事」と捉えてます。まぁ、人の身体に触れるのに資格が絶対必要という訳ではありませんからね。

でも、「マッサージ師」と比べると個人レベルの差が大きいと感じてます。技術レベルが安定している「マッサージ師」に比べると、何しろ下手な人が多いのが「セラピスト」。でもね、めっちゃ上手い人もいるのが「セラピスト」でもあると。

私は、セラピストは「トレーナー」だと思っています。一緒に時間を共有して健康に導いてくれる人。使った時間に労働の対価を払う10分○○円ですね。

法律的な問題は?

冒頭に触れた「あーだこーだ」言ってくる人は、法律的な問題を言ってくる人が多いですね。

厚生労働省が公文書において

あん摩とは、人体についての病的状態の除去又は疲労の回復という生理的効果の実現を目的として行なわれ、かつ、その効果を生ずることが可能な、もむ、おす、たたく、摩擦するなどの行為の総称である。昭和38年1月9日医発第8-2号(抜粋)

と発表しており、マッサージの定義を「体重をかけ、対象者が痛みを感じる強さで行う行為」と回答しました。

以上の行為を仕事とする者は按摩・マッサージ師であると。

ただし、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律には、あん摩やマッサージの定義がされてません。何をもってマッサージ?とか、職業選択の自由などで、次々とお店ができて規制ができない状態でもあるようです。

昨今、激安マッサージ店が増えてのも、規制ができてないがゆえのことでもあります。逆に、有資格者である柔道整復師が保険を使った激安マッサージも問題になりました。

「ほぐし業界はグレー」とか言う人がいますが、法律的には「限りなくクロ」に近いんじゃないかな。でも、きっちりと法律に則って規制するのが難しいのも分かります。

あくまでも個人的な見解ですが、法律で取り締まるのは難しいんじゃないでしょうか。なので、「国家資格はありません」とか「民間療法です」等を書いた看板やWEBページを必須にするとか、それをお客に伝えるのを義務にしたらと思う。

これも出来ない店員を雇って商売しようというのは、人の身体に触れてお金をもらってはダメだと思うんだよな。これは、日本語ができない外国人にも適用すべきだと思ってます。

こんな偽物マッサージ師が多い

さて、話は「マッサージ師」と「セラピスト」に戻り、私が絶対に身体を触らせたくない偽物マッサージ師について書こうと思います。

ずばり!私が身体を触らせたくないのは、「身体について勉強してない人」。

例えば、激安マッサージ店等で研修が数週間だけで現場に出てくる人、痛いマッサージが効くと思っている人、など。

マッサージや按摩の行為は、身体を傷付くことがあります。筋繊維を切ったり、内出血を起こしたり、酷い時は骨折まで。。身体の構造を学んだ人でないと、自分の身体を触らせるのは怖くないですか。

また、こっちが「痛い」と言っているのに、「痛いの我慢してくださいね、後で楽になりますから」など言う人も怖い。これはマッサージの経験からなのですが、痛い後に楽になった感覚はあるけど、スグに元通りになってしまう。痛いのは効きますよと言う人ほど信用ならない。

この場合、まるで「麻薬」のような感覚?刺激(使ったことないのではっきりとは分かりません)を求めて、少し痛いけど気持ち良いからもう一度!のようなのが繰り返される。身体に良いことをしているのに、まるで中毒症状のようになってしまうとこ。

日本で按摩マッサージ師を名乗っている人は、少なくとも数年は身体の勉強をしてきています。また、セラピストの中でも勤勉な方は解剖学などの勉強をしてます。

何度も言いますが、「マッサージ師」と「セラピスト」の違いを、はっきりと理解している人は少ないと感じてます。だって、街中にあるほぐしの店スタッフのほとんどがマッサージ師と思っている人も多いから。

ふとお店に入って、担当したセラピストに身体を任せる前に、このセラピストがのことを知ってるかを見極めることをおすすめしたい。だって、お金払って身体を壊されるなんで嫌じゃないですか!

そこで、私が行っているセラピストの技術を見極める方法の一つが、

「弱くして下さい」

とマッサージが始まる前に必ず伝えること。

弱く押して下さいって言うと、技術の差がはっきりと出るんですよ。全く違いますから試してみて下さい。といっても、できるセラピストは少ないんですけどね。

マッサージは物足りないくらいが丁度良い

これは500回以上マッサージを受けてきた私の答えです。
マッサージの上手下手、どこで判断してます?

タイ古式マッサージのセラピスト

次に、私の大好きなタイ古式マッサージのセラピストについて。

ぶっちゃけ、タイ人のタイ古式セラピストで上手い人は少ないと思ってます。というか、今まで200人近く受けてきたけど、上手いと思ったのは5人もいなかったかな。何しろ弱押しができないタイ人セラピストが多い。

ちなみに、弱押しって弱く押すだけじゃありませんからね。的確なポイントを痛くならないように的確な圧で押す技術です。この技術を教えている先生に聞いたところ、指先の感覚が研ぎ澄まされないとできないそうですね。
興味ある方は先生の施術を受けてみると良いかも。女性限定です。
和もみサロン「アロマリ」

とにかく、この弱く押す技術を持っているタイ人セラピストは少ない。タイ古式好きの日本人や本場のタイ人から聞くと、上手いとされるセラピストの多くが強く押せるセラピストを指します。いわゆる「ギュー」とか「ボキボキ」ってやつ。

私の場合、ギューとかボキボキってされると、その場ではスッキリするんだけど、次の日に揉み返しになったり、元のように辛くなってました。このような経験の方は多いんじゃないかな?

これ(その場の強さだけ)を求める人なら良いけど、私は全く逆を求めるのでね。身体のことをちゃんと考えると弱押しになると思うんだけどな。。

この技術は、ほとんどが臨床で学ぶとのこと(これまた先生から)。だから、学校で学んだ後も身体のことや圧の入れ方を勉強し続けた人が、このような技術を身に付けることができるそうです。

これを考えると、タイ人セラピストで出来る人が少ないのが頷けちゃう。だって、私が出会ったタイ人セラピストのほとんどが、新しい技術やら勉強会をすることを避けてましたからね。

この技術を持っているのは、日本人が一番多いんじゃないかと思っています。日本人のマッサージ師やセラピストさんは勉強家の人が多いですからね。

こんなマッサージ師やセラピストが増えたら嬉しい

繰り返しますが、「マッサージ師」と「セラピスト」の違いは人の身体に触れる前に、学校で学んでいるかいないかの違いであり。そして、「セラピスト」は技術レベルの差が大きく、中にはしっかり学んでない人もいる。

でも、(あくまでも)私が好きなマッサージをしてくれるかは、「マッサージ師」か「セラピスト」の違いでなく、私にとって心地よい圧で押してくれるかどうかで判断します。

この心地良いというのは、人それぞれだと思います。痛いのが好きとか、触る程度が好きとか、その日によって変わるとか。。それは、珈琲に砂糖とミルクと入れるのか、ミルクだけなのか、ブラックなのかの違いと同じじゃないかなと。

どちらにしても、それぞれが求める気持ち良いと思うマッサージができる「マッサージ師」や「セラピスト」が増えた良いなと思う。

それには、学校だけでなく臨床を重ねて身体のことを勉強し続けなければなりません。それができるような環境作りをするのが、マッサージ店のオーナーの仕事じゃないかなと思ってます。

これって、激安マッサージ店じゃできませんよね!?

健康でありたいと思う人にとって、マッサージが良いものでありますように!そんな風に考える業界であって欲しいと願います。利益だけ追求してもセラピストはついてきませんからね。

良いマッサージ店を作りたいと思っているオーナーさん!お気軽にご連絡下さい。一緒に作りましょう♪

【追記】
最近、マッサージ師が治療家でなくセラピストの領域である癒しの世界へ進出してるのを多く見かける。全てではないと思いますが、治療家として生きていくのが難しいからなのかな?と思ったりする。そんな人に癒しなんてできるのかな?ってね。

~thaiuniおっさんのつぶやき~
タイ古式マッサージ業界に、高い技術を持った日本人セラピストが増えて欲しいな。その為には古式イメージの払拭もしなきゃならないし、セラピストの待遇改善もしなきゃならない と思う。