バンコクで子連れの日本女性が逮捕。ワシントン条約くらいは知っとこうよ。

タイの犯罪
附属書Ⅰの絶滅危惧種のパンダ

ニュースをチェックしていると「スワンナプーム空港で、ワシントン条約で商業目的の国際取引が禁止または規制されている生きたカメ32匹、ミズオオトカゲ8匹、ワニ15匹をかばんに隠し出国しようとした日本人の女が逮捕された。」とありました。この女性が言うには、アジア系の男性に頼まれて、10万円で東京まで運ぶ予定だったそうです。そして、その女性は生後半年の子供が一緒だったとか。
正直、麻薬でなくて良かったですねと言いたいが、それよりも生きたカメやトカゲやワニを生きたまま持って帰るのはダメだって分かるだろうに。まして、依頼金額が10万円とか怪しいでしょ。
という私もワシントン条約とはを口頭で説明しろといったらできないので、ワシントン条約についてと条約で禁止または規制されている動物、植物を調べてみました。

附属書Ⅰの絶滅危惧種のパンダ
附属書Ⅰの絶滅危惧種のパンダは誰でも知ってますね。
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ワシントン条約とは

野生動植物の国際取引が乱獲を招き、種の存続が脅かされることがないよう、取引の規制を図る条約である。wikiより

1972年に国連人間環境会議において、特定の種の野生動物の輸出、輸入に関する条約を決めようとなり、1973年にワシントンD.Cで採決され、1975年7月1日に発効されたものになります。ワシントン条約の目的としては、絶滅のおそれのある野生動物の保護を図ることになります。この条約の締約国数は182カ国及び欧州連合になっており、日本は1980年11月に締約国になっています。ちなみにタイは1983年4月に締約国になっています。
参照:http://www.trafficj.org/aboutcites/membernation.html

ただし、条約そのものには罰則規定はありません。締約国それぞれで条約運用のための法整備を行っています。日本においては、税関で輸入を差し止められ、輸入品の没収と罰金の支払いが通告されます。これを拒否すれば告発され刑事裁判になります。また、税関でチェックされずに持ち込んだ場合は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金。そして、外国為替及び外国貿易法違反になり、100万円以下の罰金又は1年以下の懲役になります。
今回の女性はタイで逮捕されたので、タイの法律に則り裁かれると思われます。ごめんなさい、このタイでの罰則規定は分かりませんでした。知っている方いたらお願いします。

ワシントン条約で禁止されている動物・植物

では、実際にワシントン条約で禁止、制限されている動物は何なの?と調べてみたところ。絶滅のおそれの程度に応じて附属書に掲載されていました。

附属書Ⅰ
絶滅のおそれのある種であって取引による影響を受けており又は受けることのあるもの。商業取引を原則禁止する。
附属書Ⅱ
現在必ずしも絶滅のおそれのある種ではないが,その標本の取引を厳重に規制しなければ絶滅のおそれのある種となるおそれのある種又はこれらの種の標本の取引を効果的に取り締まるために規制しなければならない種。
附属書Ⅲ
いずれかの締約国が,捕獲又は採取を防止し又は制限するための規制を自国の管轄内において行う必要があると認め,かつ,取引の取締のために他の締約国の協力が必要であると認める種。
外務省WEBページより

いわゆるランク付けがされており、附属書Ⅰでは約1000種、附属書Ⅱでは約34000種となります。これは生きているものになりますが、ワシントン条約には加工品なども含まれます。日本に持ってきてはいけないものの代表として、毛皮(虎、ヒョウ、チーター、ラクダなど)、皮革製品(アメリカワニ、シャムワニ、インドニシキヘビなど)、象牙製品、漢方薬(虎骨、麝香、木香を含むもの)があります。これ覚えたら動物博士になれるんじゃないってほど、かなりの種類があります。
更に詳しいのを知りたい方は、以下のサイトを参照してみてください。
動物
http://www.trafficj.org/aboutcites/appendix_animals.pdf
植物
http://www.trafficj.org/aboutcites/appendix_plants.pdf

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タイのワシントン条約の現状

今回は日本人女性が逮捕されましたが、タイにおけるワシントン条約の現状はいろいろ言われています。

タイ国内の57施設を対象とした調査によると、51頭のオランウータンが展示されているがオランウータン各個体の出生地、生年月日、移動と死亡状況について明記された国際血統台帳にはわずか21頭しか登録がなされていなかった。とう報告書があったそうです。また、データベースによると、1975年以降タイに輸入されたオラウータンは5体のみであり、調査中に目撃されたニシゴリラ1頭やテナガザル14頭は記録を確認することが出来なかったそうです。

これは、タイのおいてはワシントン条約掲載種である6種の大型霊長類と11種のテナガザルを法的保護の対象としていない。タイではこのような法律的な問題があるとされています。
これらの調査報告書を書いたトラフィックのクレア・ビーストール氏が「違法取引に関与する人々は、タイが彼らの違法行為をおこなう上で安全な隠れ家であることをよくわかっている。これらの法の抜け穴を閉じない限り、この状況は改善する余地はないだろう」と述べたそうです。
参照:http://www.trafficj.org/press/animal/n161128news.html

ただし、タイにおいては法改正努力も行われており、2013年にはインラック元首相が「国内法で象牙取引を規制するように、法律の改正に取り組む」と宣言。2014年にはアフリカゾウの象牙違法取引に関して対象に含める改正がされました。

やっぱり運ぶ物は確認しないとね

もしかしたら、今回の事件もこのような違法行為をする人々が絡んでたかもしれません。くれぐれも、怪しい人から頼まれた品物は受け取らないようにしたい。また、どうしてもと頼まれ受け取ったとしても、中身はちゃんと確認すべき。だって、頼まれたものが麻薬だったら最悪ですし、そんな場合は分からないように隠されている事が多いんじゃないかなと思います。

逮捕された日本人女性は10万円に目がくらんだのかもしれません。ただ、それによってお金では変えることができない代償を背負わされたと思います。子供のいるのだったら、尚更、しっかりと考えて行動したいものです。

~thaiuniおっさんのつぶやき~
今回のカメやトカゲには欲しいという人がいるから運ぼうと考えた訳で、根本はお金で絶滅危惧種を欲しいという人がいなくならない限り続くんだろうなと思う。人間の欲って醜いですね。

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